当サイト管理人のスノーキーこと小手川征也です。
ループイフダンについて調べていると、3すくみ・5すくみという運用方法を見かけることがあります。
結論から書くと、ループイフダンの「すくみ」とは、複数の通貨ペアを組み合わせ、通貨の売りと買いが一周するようにループイフダンを稼働させる運用手法です。
ループイフダンに「3すくみ」「5すくみ」という専用機能があるわけではありません。
複数のB(買い)・S(売り)を組み合わせて、全体として一方向への為替変動の影響を和らげようとする考え方です。
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 3すくみ | 3つの通貨ペアを循環するように組み合わせる |
| 5すくみ | 5つの通貨ペアでより大きな循環を作る |
| 目的 | 一方向への通貨リスクを分散する |
| ループイフダンBSとの違い | BSは同一通貨ペアのB・Sを同時運用する公式機能 |
| 注意点 | 含み損・必要資金・スワップ・管理の複雑化 |
ただし、複数の通貨が互いに打ち消し合うように見えても、すくみにすれば為替リスクがなくなるわけではありません。
私は過去にループイフダンのセミナーでも、すくみや常時両建てを基本的に採用しない理由を話しました。
今回は、3すくみ・5すくみの仕組みとともに、メリットだけではなく私が気になる点も解説します。
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ループイフダンの3すくみ・5すくみとは
すくみとは、複数の通貨を循環するように売買し、それぞれの為替変動を互いに打ち消すことを狙った運用方法です。
たとえば円・米ドル・ユーロの3通貨を使う場合、円で米ドルを買い、米ドルでユーロを買い、最後にユーロで円を買う形にすれば、通貨が一周します。
この考え方をループイフダンの複数設定で作るのが、いわゆる「3すくみ」です。
| 通貨ペア | 方向 | 通貨の動き |
|---|---|---|
| 米ドル円 | B(買い) | 円を売って米ドルを買う |
| ユーロ米ドル | B(買い) | 米ドルを売ってユーロを買う |
| ユーロ円 | S(売り) | ユーロを売って円を買う |
円 → 米ドル → ユーロ → 円と一周する形です。
このため理屈の上では、一つの通貨だけを一方向に買い続けるよりも通貨の方向性を相殺しやすくなります。
ただし、この表はすくみの仕組みを理解するための概念例です。
同じ1,000通貨ずつ設定したからといって、それぞれの実質的な通貨保有額や為替リスクが完全に一致するとは限りません。
為替レートも異なりますし、ループイフダンが稼働すると各通貨ペアでポジションが増えるタイミングも変わります。
開始時にきれいな三角形を作っても、運用中ずっと完全にリスクが相殺され続けるわけではありません。


5つの通貨を循環させれば「5すくみ」になります。
一例として、米ドル・ユーロ・円・NZドル・豪ドルを組み合わせると、次のような循環を作ることができます。
| 通貨ペア | 方向 |
|---|---|
| ユーロ米ドル | B |
| ユーロ円 | S |
| NZドル円 | B |
| 豪ドルNZドル | B |
| 豪ドル米ドル | S |
米ドル → ユーロ → 円 → NZドル → 豪ドル → 米ドルと、5通貨を一周させる考え方です。


通貨数を増やせば、特定の一通貨だけに依存する割合を小さくできる可能性があります。
その一方で、5つのループイフダンを管理することになるため、3すくみ以上に資金管理・設定管理が複雑になります。
単純に「3より5の方が分散されるから安全」と考えるものではありません。
すくみとループイフダンBS・両建ては仕組みが違う
すくみと似た考え方に、両建てとループイフダンBSがあります。
| 方法 | 仕組み |
|---|---|
| 通常の両建て | 同じ通貨ペアの買いと売りを同時に保有 |
| ループイフダンBS | 同じ通貨ペア・同数量・同値幅のBとSを同時運用 |
| 3すくみ・5すくみ | 複数の異なる通貨ペアを循環するように組み合わせる |
ループイフダンBSはアイネット証券が用意している正式な注文タイプです。
同じ通貨ペアのBとSを同時運用するループイフダンBSについては、両建てのメリット・デメリットとあわせてこちらの記事で詳しく解説しています。
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ループイフダンの両建ては最強?BSの仕組み・メリット・デメリット【FX】
一方、3すくみ・5すくみは複数のループイフダンを利用者自身が組み合わせる運用方法です。
また、同じ通貨ペアの両建てと違って、すくみでは複数の通貨が関係するため、どの通貨へどれだけリスクが偏っているのかが見えにくくなることがあります。
すくみのメリットは通貨リスクを一方向へ集中させにくいこと
すくみのメリットとして考えられるのは、まず一つの通貨方向へリスクを集中させにくいことです。
たとえば対円通貨ペアのB(買い)だけを複数稼働していると、大きな円高が発生した際に、複数の設定が同時に含み損を抱えることがあります。
すくみでは円を売るポジションだけではなく、円を買う方向や外貨同士の通貨ペアを組み合わせるため、一方向への偏りを抑える考え方ができます。
また、それぞれの通貨ペアが異なるタイミングで上下すれば、一部の設定で含み損が増えていても、別の設定では利益確定が続くことがあります。
この意味では、複数通貨ペアによる分散という発想自体には合理性があります。
ただし、通貨が一周するように設定したからといって、「為替リスクが消える」わけではありません。
ループイフダンでは、各通貨ペアの値動きによってポジションを持つ数やタイミングが変わります。
ある通貨ペアでは1ポジションしか持っていないのに、別の通貨ペアでは最大ポジション数近くまで積み上がっているということもあります。
すると、最初に考えた通貨のバランスは崩れていきます。
さらに通貨同士の相関関係も一定ではありません。
過去に打ち消し合っていた通貨ペアが、相場環境の変化によって同じ方向へ動くこともあります。
すくみはリスクを消す仕組みではなく、複数の為替リスクを組み合わせる運用方法と考えた方がいいです。
3すくみ・5すくみは必要資金・含み損・管理が複雑になる
すくみで使用する通貨ペアを増やすと、それぞれのループイフダンに最大ポジション数・取引数量・必要証拠金があります。
そのため、5すくみだからといって1本のループイフダンと同じ感覚で資金を考えることはできません。
重要なのは、5設定をそれぞれ別々に見るだけではなく、全部のポジションが増えた時に口座全体でどれだけの証拠金と含み損を抱える可能性があるかです。
また複数通貨ペアでは、買いスワップだけでなく売りスワップが発生する設定も含まれます。
売買回数が増えれば、それぞれの通貨ペアでスプレッドによる取引コストも発生します。
複雑な設定にするほど、利益確定回数だけを見て運用を評価しない方がいいです。
自動売買必要証拠金と必要資金の違いはこちらの記事で解説しています。
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ループイフダンの自動売買必要証拠金とは?必要証拠金・目安資金との違い【FX】
また、すくみでも含み損そのものがなくなるわけではありません。
一部のループイフダンが利益確定を繰り返す一方で、逆方向へ動いたループイフダンにはポジションが積み上がり、含み損が残ります。
相場の方向が変われば、今度はそれまで利益を出していた側にポジションが増えることもあります。
つまり、口座全体では利益確定が続いていても、常にどこかに含み損を抱えやすい構造になります。
ループイフダンの含み損そのものについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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ループイフダンの含み損が増えたらどうする?原因・損切り・対策を解説【FX】
私はすくみ・常時両建てを基本的に使わない
私は過去にループイフダンのセミナーでも、すくみ手法や常時両建てを基本的に使わない理由を話しました。
最大の理由は、上がっても下がっても、どこかのポジションが含み損になりやすいからです。
上昇相場なら買い側は利益確定しやすい一方、売り側には含み損が積み上がります。
下落相場ならその逆です。
すくみではこれを複数通貨ペアへ広げるため、値動きを滑らかにできる可能性はありますが、含み損そのものがなくなるわけではありません。
また、私は過去のループイフダン運用で強制ロスカットも経験しています。
そのため現在は、複雑な仕組みで値動きを打ち消すことよりも、各通貨ペアでどこまでの値動きを想定し、どれだけのポジションと資金を使うのかを把握できる設定を重視しています。
私は複数通貨ペアで運用すること自体を否定しているわけではありません。
一つの通貨ペアへ資金を集中させるより、複数通貨ペアへの分散を検討する価値はあります。
ただし、単純な通貨ペア分散とすくみは分けて考えています。
すくみは、通貨同士が循環してリスクを打ち消すように意図的に組み合わせます。
一方、通常の通貨ペア分散では、それぞれの通貨の特徴・値動き・現在位置・スワップなどを確認し、似たリスクへ集中しないように複数設定を持つことを考えます。
私は後者の方が、それぞれの設定で何を狙っているのかを把握しやすいと考えています。
ループイフダンの通貨ペア選びはこちらの記事で詳しく解説しています。
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ループイフダンのおすすめ通貨ペアは?選び方・候補と注意点を解説【FX】
それでもすくみを使うなら必要資金と出口まで確認する
3すくみ・5すくみを利用するのであれば、単に通貨ペアの組み合わせだけを真似するのではなく、少なくとも次を確認したいです。
すくみを組む前に確認したいポイント
・それぞれの通貨ペアで何通貨を買い・売りするのか
・共通する通貨へリスクが偏っていないか
・各ループイフダンの設定値幅
・各ループイフダンの最大ポジション数
・全部のポジションが増えた場合の必要資金
・各通貨ペアのスワップポイント
・含み損が増えた場合の停止・撤退方法
特に重要なのが出口です。
複数設定を同時に動かすと、どれか一つだけ止めた時に、それまで作っていた通貨バランスも変化します。
開始方法だけでなく、「どの条件になったら何を止めるのか」まで考えてから始めた方がいいです。
実際に複数の設定を組み合わせる場合は、「アイネット証券」の公式ホームページで、現在の「ループイフダン」の通貨ペアや取引条件も確認しておきましょう。
売買する価格帯を明確にしたいなら松井証券FX自動売買も候補
私がすくみより重視しているのは、複雑な通貨の循環を作ることより、それぞれの自動売買でどこからどこまでを取引するのかを把握することです。
ループイフダンでは設定値幅と最大ポジション数から注文範囲の目安を考えますが、売買価格帯の上限・下限を直接指定するタイプではありません。
一方、松井証券FX自動売買では、注文レンジの上限・下限を自分で設定できます。
そのため、「複数通貨ですくみを作るより、各通貨ペアで売買する範囲を自分で決めたい」という方には比較候補になります。
1通貨から数量を細かく調整でき、任意で運用停止ラインも設定できます。
松井証券FX自動売買の仕組みや設定方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
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松井証券FX自動売買とは?1通貨から始められるリピート系FXの仕組み・特徴を解説
ループイフダンの3すくみ・5すくみまとめ
ループイフダンのすくみとは、複数の通貨ペアを循環するように組み合わせ、一方向への為替リスクを分散することを狙った運用方法です。
3通貨を使えば3すくみ、5通貨を使えば5すくみと呼ばれます。
ただし、ループイフダンに3すくみ・5すくみという専用機能があるわけではなく、利用者が複数のB・Sを組み合わせて作る運用手法です。
通貨を循環させても、各通貨ペアのポジション数は運用中に変化するため、リスクが常に完全相殺されるわけではありません。
また、通貨ペア数を増やすほど必要資金・スワップ・含み損・停止判断などの管理も複雑になります。
私はすくみや常時両建てを基本的な運用方法にはしていません。
複雑にリスクを打ち消すことよりも、通貨ペアごとに想定する値動き、最大ポジション数、必要資金、出口を把握できる設定を作る方を重視しています。
すくみを使う場合も、「複数通貨だから安全」とは考えず、口座全体でどの通貨をどれだけ保有しているのかまで確認してください。
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※FXは相場変動などにより損失が発生し、預け入れた資金を上回る損失が生じる可能性があります。複数通貨ペアへの分散やすくみ手法によって損失・強制ロスカットを回避できる保証はありません。



