当サイト管理人のスノーキーこと小手川征也です。
FXで年末が近づくと聞くことがあるのが「損出し」と「益出し」です。
どちらも、保有しているポジションを決済して含み損・含み益を確定させ、年間のFX損益を調整する方法です。
ただし、「利益を20万円以下にすれば税金がかからない」と単純に考えるのは正確ではありません。
この記事では、個人が日本国内のFX会社を利用するケースを中心に、損出し・益出しの意味、損益通算、20万円ルール、スワップポイントの扱いまで整理します。
税制・申告条件は個人の所得状況などによって変わるため、最終的な申告判断は国税庁、税務署、税理士等へ確認してください。
FXの損出し・益出しとは?先に結論
「損出し」とは、含み損が出ているFXポジションを決済し、その損失を確定させることです。
反対に「益出し」とは、含み益が出ているポジションを決済して、その利益を確定させることです。
年末にこれらを行う主な目的は、その年の確定損益や過去から繰り越している損失を確認しながら、課税対象となる所得の発生時期を調整することです。
- 損出し=含み損を決済して損失を確定する
- 益出し=含み益を決済して利益を確定する
- 複数のFX口座を利用している場合は、対象となる取引同士の年間損益を合算して考える
- 損失の繰越控除を利用している場合は、益出しが有効になるケースもある
ただし、単純に税金をなくす方法ではありません。
ポジションを決済すればスプレッドなどの取引コストが発生し、同じポジションを持ち直す場合には、その間の為替変動によって不利な価格で再エントリーする可能性もあります。
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国内FXの利益は申告分離課税|20万円ルールは「非課税」ではない
個人が日本国内の一般的なFX会社で行うFX取引の利益は、原則として「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象になります。
税率は、所得税15%、地方税5%に加え、復興特別所得税を含めて実質20.315%です。
ここで特に注意したいのが、よく言われる「20万円」です。
一定の給与所得者では、給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円以下の場合、所得税の確定申告が不要になるケースがあります。
しかし、これは「20万円以下ならFXの利益が非課税になる」という意味ではありません。
また、所得税の確定申告が不要でも、住民税について申告が必要になる場合があります。
そのため、以前よく見かけた「FX利益を20万円以下にすれば税金を払わなくてよい」という説明だけで損出しを判断しない方がいいでしょう。
医療費控除など別の理由で確定申告をする場合や、給与の状況、その他の所得がある場合などでも扱いが変わります。
FXの損出し|利益が出ている年に損失を確定する
損出しが分かりやすいのは、複数のFXポジションや複数口座を持っているケースです。
例えば、同じ「先物取引に係る雑所得等」として損益通算できる取引で、A社ですでに+50万円の利益を確定しているとします。
一方、B社で保有しているポジションに−20万円の含み損があるとします。
このB社のポジションを年内に決済して−20万円の損失を確定した場合、単純化すれば、その年の対象となる損益は+30万円となります。
| 取引 | 確定損益 |
|---|---|
| A社 | +50万円 |
| B社で損出し | −20万円 |
| 合計 | +30万円 |
これがFXで使われる「損出し」の基本的な考え方です。
複数の国内FX会社を利用していても、税務上同じ区分に該当する対象取引であれば損益通算できるため、口座ごとではなく年間全体で確認することが重要です。
一方、海外FXなど税務上の扱いが異なる取引まで同じように合算できるとは限りません。
年末に損出しをする場合は、FX会社が発行する年間取引報告書などで最終的な確定損益を確認することをおすすめします。
FXの益出し|繰越損失がある場合などに利益を確定する
損出しとは反対に、含み益をあえて確定する「益出し」が有効になるケースもあります。
国内FXで「先物取引に係る雑所得等」の損失が発生し、必要な確定申告を行っている場合、その損失は一定の要件のもとで翌年以後3年間繰り越すことができます。
例えば、過去から繰り越している損失が残っている一方で、現在のポジションに含み益がある場合です。
含み益を決済して利益を確定し、繰越損失と相殺することで、繰越損失を有効に使える場合があります。
特に3年間の繰越期間が終わりに近い損失がある場合は、そのまま期限を迎えるより、保有ポジションの状況を確認して益出しを検討する意味があります。
ただし、益出ししたポジションを再び買い直す場合は、新しい取得価格でポジションを持つことになります。
将来そのポジションを決済した時の利益・損失も変わるため、「今の税金だけを減らす」という視点ではなく、翌年以降も含めて考える必要があります。
未決済ポジションとスワップポイントの税金は分けて考える
通常、個人口座の未決済ポジションにある評価益・評価損は、まだ決済していない段階では確定した損益ではありません。
ただし、スワップポイントについてはFX会社の仕組みによって確認が必要です。
例えば「LIGHT FX」の個人口座では、ポジションを決済していない状態の評価損益や、まだ受け取っていないスワップポイントは課税対象ではありません。
一方で、ポジションを保有したまま「スワップ受取」を行った場合は、その受け取ったスワップポイントが課税対象になります。
つまり、「銀行口座へ出金したかどうか」ではなく、FX口座内で利益が確定したタイミングを見る必要があります。
「LIGHT FX」のスワップポイントだけを受け取る方法や税金については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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LIGHT FXはスワップポイントだけ受取・出金できる?方法と税金の注意点【FX】
なお、法人口座では未決済ポジションの評価損益などの扱いが個人口座とは異なります。本記事は個人の国内FXを中心にした説明です。
損出し・益出しをするときの注意点
損出し・益出しは便利な考え方ですが、税金だけを見て機械的に決済するものではありません。
- ポジションを決済するとスプレッドなどの取引コストが発生する
- 買い直すまでに相場が動く可能性がある
- 年末ぎりぎりの取引は、その年の損益に含まれるかFX会社の報告書等で確認する
- すべての金融商品・海外FX等を自由に損益通算できるわけではない
- 損失の3年間の繰越控除には確定申告などの要件がある
- 20万円ルールは「20万円以下なら非課税」という制度ではない
- スワップポイントはFX会社の受取・確定方法によって確認が必要
私は以前からリピート系FXなど複数のFX口座を使ってきましたが、年末は一つの口座だけを見るのではなく、年間の確定損益と保有ポジション全体を見ることが重要です。
特に長期運用では、利益が出ている口座と含み損を抱えている口座が同時に存在することがあります。
税金のためだけに無理な損切りをする必要はありませんが、もともと整理しようと考えていた含み損ポジションがあるなら、年内に決済するか翌年へ持ち越すかを考える材料にはなります。
過去の損出し・益出し解説動画
リピート系FX運用における「損出し」「益出し」については、過去にYouTubeでも解説しています。
以下は当時公開した動画のため、税制やFX会社のサービス仕様については現在と異なる部分がある可能性があります。考え方や当時の記録としてご覧ください。
2019年12月22日にも改めて「損出し」「益出し」について動画を公開しました。
まとめ|損出し・益出しは年間損益を見て判断する
FXの「損出し」は含み損を決済して損失を確定すること、「益出し」は含み益を決済して利益を確定することです。
利益が大きく出ている年に損失を確定して損益通算したり、過去から繰り越した損失がある年に利益を確定したりと、年間のFX損益を整理する方法の一つとして使われます。
ただし、20万円以下なら自動的に非課税になるわけではなく、住民税や他の所得、確定申告の有無なども関係します。
また、ポジションを決済することで取引コストや再エントリー時の価格変動リスクも発生します。
まず各FX会社の年間取引報告書などで確定損益を確認し、そのうえで年末に保有ポジションを整理する必要があるかを判断するのがいいでしょう。
スワップポイント運用をしていて、ポジションを決済せずにスワップポイントだけ受け取りたい方には「LIGHT FX」という選択肢があります。
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※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FXには為替変動リスク、スプレッド拡大、スワップポイント変動などによる損失リスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
※税制・申告方法は個人の状況や制度変更等によって異なる場合があります。具体的な申告については国税庁、税務署、税理士等へご確認ください。





